ヤロスワフ・カプチンスキー ゲスト講義「インターメディアを用いた作曲:オーディオビジュアルピアノからVRへ」

後藤研究室では作曲家のヤロスワフ・カプチンスキー氏をお迎え、「インターメディアを用いた作曲:オーディオビジュアルピアノからVRへ」というテーマを持って特別講義を行います。

日時:2024年12月16日(月)
14:40 ~ 講義(東京藝術大学 千住キャンパス 第2講義室)

 

概要

 作曲家のヤロスワフ・カプチンスキー (Jarosław Kapuściński)は様々なメディアを横断するオーディオビジュアル作品の制作を得意とする。彼の多くの作品はインタラクティブ性を持っており、音楽家(特にピアニスト)さえもビジュアル要素を操ることも良くある。最近は一般の観客がVRの中でオーディオビジュアルの世界を直接描く作品も作っている。フルーツを動かす《ジューシー――Juicy》や、タイプライターで詩を書く《オリの夢――Oli’s Dream》、世界中の音楽を聴く人々の表情に映し出された音楽の痕跡を辿る《ショパンはどこに――Where is Chopin》など、彼の作品は音楽とビジュアル、意味論とパフォーマーのアクションなどの要素を織りなしながら複雑かつ遊び心に満ちたシステムを形成している。今回のプレゼンテーションで、カプチンスキーは最近のOpenEndedGroupとVRとのコラボレーションによる作品《ポイント・ライン・ピアノ――Point Line Piano》について論じる。これは想像する・遊ぶ・聴く行為を混合しつつ既存の作曲、パフォーマンス、ピアノ音楽の概念を新たに解釈するプロジェクトである。

講師プロフィール

ヤロスワフ・カプチンスキー /Jarosław Kapuściński

 ヤロスワフ・カプチンスキーはスタンフォード大学音楽学部の准教授であり、東アジア言語文化学科(Department of East Asian Languages and Cultures)にも所属している。研究テーマはインターメディアによる作曲、パフォーマンス、そして日本の伝統美学。

 カプチンスキーは全米芸術基金(National Endowment for the Arts)、カナダ総督(The Governor General of Canada)、フランス国立視聴覚研究所(Institut National de l’Audiovisuel)などの様々な国際組織によって助成と委嘱を受けている。彼の作品はカナダ、フランス、スイス、アメリカのフェスティバルで受賞しており、ニューヨークMOMA、スポレートUSA、EMPAC NY、シカゴ・ローガン・センター、カールスルーエ ZKM、マドリードソフィア王妃芸術センター、ヴロツワフ・メディア・ビエンナーレ、ワルシャワの秋、香港クリエーティブ・メディア・センター、上海ベンツ・アリーナ、オタワ国立アートセンターなどで演奏されている。

 さらにカプチンスキーは芸術活動に加え、日本の雅楽音楽 (gagaku.stanford.edu) や能楽 (noh.stanford.edu) に関する学術ウェブサイトの運営にも協力している。

https://jaroslawkapuscinski.com/ 

https://openendedgroup.com/